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2023年09月15日

酒と共にあった

酒と共にあった 野坂昭如 のエッセーから・・

酒と共にあった





 文壇という言葉は死語に近くなり、かつて文壇バーと呼ばれた店はほぼ 消えた。

川端康成が来ていると伝えると 、みな黙り込んだ。

 井上光晴・ 吉行淳之介・ 野間宏・ 水上勉など文壇のそうそうたる 連中が夜な夜な集まってくる 文壇バーは銀座に多かった。
僕は 吉行淳之介・ 梶山季之・など諸先輩に誘われ 有頂天な時を過ごした。


  酒を飲む行為には何も生み出さない 虚しさがある。
しかし 酒を通して人間がわかる 。

 田中小実昌・石堂淑郎・佐木隆三 など 皆酒が強い 。

一座から 独特の 甲高い笑い声が響く 三島由紀夫である。
三島流 話術に巻き込まれる 。
三島さんは 終始 変わることなく 礼儀正しく呑む。


  吉行淳之介さんは 独特の雰囲気を持っていた。
彼が店に入ると 和やかな ムードとなる 。
しかし 演出しているわけではない 。
努力してるわけではない 。
気遣いの達人。 吉行さんは 自分のしていることを他人に気づかせない。

  弘前出身の なまりで ボツボツ しゃべる長部日出雄。
お店でコートを脱がないのは 田村隆一 。
その横顔は ゲイリークーパー そっくりでハンサム だが コートの下はパジャマ なのだ。

 それから 僕が初めて口をきいた 小説家で、 お互い金もなく暇だけはあったからよく飲んだ。
酒に強く 笑い方は 豪快 そのもの 丸谷才一さんは、文学のみならず 幅広い知識を持ち、 誰にでも興味を抱く 根っからの小説家。
一緒に酒を飲む うちに 小説家とはこういうものだと思い当たった 。
丸谷さんは 新潟 高校の5年上の先輩。

・・・コロナで、数十年続いた「模合」も解散したそうだ、
加齢で外吞みが減るのは仕方がない。
若い頃、吞み会から学ぶものは、
ボクにも多々あった。・・・


夜が来る。



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この記事へのコメント
他人の文章を写すと、かなりの文芸修行になるでしょう!?

小説はあまり好きじゃないと言いつつ、一昔前のいわゆる文士の生き方やエッセイには興味が湧くんですね?!

誰かの文章に似ていると他人に言われるくらいに文章を写しまくって修行をしたら、そのうち独自の文体ができてくるのではないかと思います。

他人を混乱させる文章や話は、個性的と評価されることはありませんから頑張って!
酒を呑まずに書いてくださいな。
Posted by とんび at 2023年09月15日 08:32
始めて、タイムスの「茶飲み話」に投稿したボクの文を読んで、友人が、「椎名誠を想いだした」と話してくれました。

・・・そうです。その頃、椎名誠を、読んでいたのです。

学びは“模倣”かも知れません。

とんびさんを、模倣したく・・・・

生きることは、書くこと・・・

よろしくおねがいしまーーす・・・!
Posted by sukebosukebo at 2023年09月15日 19:25
 
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