2024年04月07日
君知るや名酒あわもり
この記事は2011.4.6 の過去の記事です。
先日、豊見城にある「忠孝」酒造所を見学してきた。
泡盛の大きな特徴は次の4点だそうだ。
1原料にタイ米を使用する。
これは昔からの伝統で、粘り気の強い日本のお米(ジャポニカ種)に比べ、硬質でさらさらしているため
黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、 もちろん、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっているそうだ。
2. 黒麹菌(くろこうじきん)を用いる。
泡盛は伝統的に「黒麹菌」を使っているのが大きな特徴で、黒麹菌を使って酒造りを行っている地域は、 世界的に見ても珍しいとのこと。
3. 仕込みは1回だけの全麹仕込みである。
黒麹菌を加えて約2日後、米麹にした原料をもろみタンクに移し、泡盛酵母と水を加えてアルコール発酵 させる。約2週間の間に適度に撹拌して発酵を促す
(忠孝酒造)
4. 単式蒸留機で蒸留する。
泡盛や本格焼酎(いわゆる乙類焼酎)は、単式蒸留機で造られる。
古代インド語のサンスクリット語で、酒のことを
「アワムリ」というそうで、それが伝来して「泡盛」になったという説がある。(泡盛の語源)
窯変・ようへん
南蛮荒焼甕を焼くときに、炎と土と薪が燃え尽き最高の文様が出来る。
東京農業大学の小泉武夫先生が、八重山の黒島で聞き取り調査を行った際の集落のおばあさんの話・・・。
“大きな桑の木の幹に付いている黒いススのようなものを「麹菌」として使って酒を造っていた“ と・・・
後にカビを採集して調べたところ、それはまさに泡盛造りに使われている黒麹菌「アスペルギルス・アワモリ」だったそうだ。
黒麹菌は酒の製造過程でクエン酸を大量に生成するため、
ほかの麹菌に比べてもろみ(米麹に水と酵母を加えてアルコール発酵させる段階)の酸度を高くすることができ、
雑菌による腐敗を抑えることができるという大きな特徴がある。
亜熱帯の沖縄は、さまざまな菌にとっても繁殖しやすい環境でもあり、
酸度の弱いもろみだと、空気中に浮遊する腐敗菌に負けて、
もろみが腐ってしまう危険性も高い。
このような風土である沖縄では、黒麹菌が最も適していることを沖縄の先人たちは知っていた。
祖先崇拝の沖縄の人々の暮らしの中に、ラフテー(沖縄風豚の角煮)や足ティビチ(豚足の煮付け)のそばにも、泡盛はそっと、微笑んでいる。勿論「入学・卒業式」のときも (^0^)。
郵便局に勤める父の晩酌を近くの造り酒屋の「宮良酒屋」に買いに行くのがボクの役割だった。
「お酒と飴玉とどっちがおいしい?」父は「酒」だと答えた。
ある日、幼稚園児のボクは、丸い飯台で家族の夕食を、団欒を、畳に横たえて「不思議な気分で眺めていた。」・・・毎日のことだから、酒が甘く感じたことも、月の光で芭蕉の葉が輝くのも、夜道が怖くて歌を唄ったりしたことも「酔って」いたからかも知れない。
ボクの五臓六腑はその時から、その雫を百薬の長と感じている・・かも?
先日、豊見城にある「忠孝」酒造所を見学してきた。
泡盛の大きな特徴は次の4点だそうだ。
1原料にタイ米を使用する。
これは昔からの伝統で、粘り気の強い日本のお米(ジャポニカ種)に比べ、硬質でさらさらしているため
黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、 もちろん、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっているそうだ。
2. 黒麹菌(くろこうじきん)を用いる。
泡盛は伝統的に「黒麹菌」を使っているのが大きな特徴で、黒麹菌を使って酒造りを行っている地域は、 世界的に見ても珍しいとのこと。
3. 仕込みは1回だけの全麹仕込みである。
黒麹菌を加えて約2日後、米麹にした原料をもろみタンクに移し、泡盛酵母と水を加えてアルコール発酵 させる。約2週間の間に適度に撹拌して発酵を促す
(忠孝酒造)
4. 単式蒸留機で蒸留する。
泡盛や本格焼酎(いわゆる乙類焼酎)は、単式蒸留機で造られる。
古代インド語のサンスクリット語で、酒のことを
「アワムリ」というそうで、それが伝来して「泡盛」になったという説がある。(泡盛の語源)
窯変・ようへん
南蛮荒焼甕を焼くときに、炎と土と薪が燃え尽き最高の文様が出来る。
東京農業大学の小泉武夫先生が、八重山の黒島で聞き取り調査を行った際の集落のおばあさんの話・・・。
“大きな桑の木の幹に付いている黒いススのようなものを「麹菌」として使って酒を造っていた“ と・・・
後にカビを採集して調べたところ、それはまさに泡盛造りに使われている黒麹菌「アスペルギルス・アワモリ」だったそうだ。
黒麹菌は酒の製造過程でクエン酸を大量に生成するため、
ほかの麹菌に比べてもろみ(米麹に水と酵母を加えてアルコール発酵させる段階)の酸度を高くすることができ、
雑菌による腐敗を抑えることができるという大きな特徴がある。
亜熱帯の沖縄は、さまざまな菌にとっても繁殖しやすい環境でもあり、
酸度の弱いもろみだと、空気中に浮遊する腐敗菌に負けて、
もろみが腐ってしまう危険性も高い。
このような風土である沖縄では、黒麹菌が最も適していることを沖縄の先人たちは知っていた。
「君知るや名酒あわもり」
お盆やお正月には、親族が仏壇の前に集まり、感謝の気持ちを表します。火の神(ヒヌカン)にも仏壇(トートーメー)にもお供え用に必ず泡盛が用意されていて、泡盛はそのときを静かに待っている。祖先崇拝の沖縄の人々の暮らしの中に、ラフテー(沖縄風豚の角煮)や足ティビチ(豚足の煮付け)のそばにも、泡盛はそっと、微笑んでいる。勿論「入学・卒業式」のときも (^0^)。
郵便局に勤める父の晩酌を近くの造り酒屋の「宮良酒屋」に買いに行くのがボクの役割だった。
「お酒と飴玉とどっちがおいしい?」父は「酒」だと答えた。
ある日、幼稚園児のボクは、丸い飯台で家族の夕食を、団欒を、畳に横たえて「不思議な気分で眺めていた。」・・・毎日のことだから、酒が甘く感じたことも、月の光で芭蕉の葉が輝くのも、夜道が怖くて歌を唄ったりしたことも「酔って」いたからかも知れない。
ボクの五臓六腑はその時から、その雫を百薬の長と感じている・・かも?
Posted by sukebo at 07:12│Comments(2)
│OKINAWA
この記事へのコメント
>原料にタイ米を使用する。
すると、タイあるいは他の東南アジアから輸入したタイ米を使っているということでしょうか?
それとも、沖縄のどこかで酒米としてタイ米を作っているのでしょうか?
サトウキビがどこにも使われていないようで、それが意外でした。
>沖縄の先人たちは知っていた。
いきなりで唐突の感じがしました。
製法の工夫や試行錯誤、大陸から伝わったのかも知れないとか、何かしらの事情やら伝説上の人もいたでしょうに割愛してしまったのかな、という疑問が湧きました。
すると、タイあるいは他の東南アジアから輸入したタイ米を使っているということでしょうか?
それとも、沖縄のどこかで酒米としてタイ米を作っているのでしょうか?
サトウキビがどこにも使われていないようで、それが意外でした。
>沖縄の先人たちは知っていた。
いきなりで唐突の感じがしました。
製法の工夫や試行錯誤、大陸から伝わったのかも知れないとか、何かしらの事情やら伝説上の人もいたでしょうに割愛してしまったのかな、という疑問が湧きました。
Posted by とんび at 2024年04月07日 08:59
すると、タイあるいは他の東南アジアから輸入したタイ米を使っているということでしょうか? そうです。
サトウキビがどこにも使われていないようで、それが意外でした。
それでは、ラム酒になります。
製法の工夫や試行錯誤、大陸から伝わったのかも知れないとか、何かしらの事情やら伝説上の人もいたでしょうに割愛してしまったのかな、という疑問が湧きました。
東京農業大学の小泉武夫先生が、八重山の黒島で聞き取り調査を行った際の集落のおばあさんの話・・・。
“大きな桑の木の幹に付いている黒いススのようなものを「麹菌」として使って酒を造っていた“ と・・・
学問は後からです。
日本酒も、納豆を食べる人を、杜氏にしない。
おーきに!
サトウキビがどこにも使われていないようで、それが意外でした。
それでは、ラム酒になります。
製法の工夫や試行錯誤、大陸から伝わったのかも知れないとか、何かしらの事情やら伝説上の人もいたでしょうに割愛してしまったのかな、という疑問が湧きました。
東京農業大学の小泉武夫先生が、八重山の黒島で聞き取り調査を行った際の集落のおばあさんの話・・・。
“大きな桑の木の幹に付いている黒いススのようなものを「麹菌」として使って酒を造っていた“ と・・・
学問は後からです。
日本酒も、納豆を食べる人を、杜氏にしない。
おーきに!
Posted by sukebo at 2024年04月07日 20:42