アヴェマリア

sukebo

2024年12月23日 07:46

この記事は2010.12.17 の過去の記事です。

中学のとき「ジャンバルジャン」の芝居をした。
その時代は、ひとクラス生徒が58名前後いた。19組(19R)あった。

 「真空管」から「トランジスター」へ移る頃、「ラジカセ」が流行る前は「ポータブルレコードプレーヤー」を電池で回して
「名曲」を聴いていた。

 クラスから集められた生徒に美しい女性教師が「演劇の指導」をしてくれた。
「永遠に変わることのない真実の愛」や「人間の良心と愛」を学んで欲しかったのでしょう・・・・


 一本のパンを盗んで投獄され、盗んだ「銀の食器」をかばってくれた司教に懺悔する
「ジャンバルジャン」
・・・・・・


 放課後夕日が教室を照らし、時間も忘れて、もりあがっていた。
そのままずっとこの時間が続くことを願っていたのかも知れない。
教室も暗くなり、眩しい先生の「シルエット」のなかでボクは妄想を脹らましていた。
・・ずっと、後である。「個人教授」というフランス映画が作られたのは。

[ジャンバルジャンが懺悔するシーン]

 木の椅子の上に立って、ボクは懐中電灯でジャンバルジャンの顔に光を集める
ポータブルレコードプレーヤーからは「アヴェマリア」がかかってきた

 同級生の演じる「ジャンバルジャン」の瞳にボクは 「涙」 を看た。
・・・なんという「感動!」 涙腺のゆるみを感じながら、ひたすらに懐中電灯を持ち続けた。
みんなが一つになっていた。
ボクは窓際の「シルエット」のなかで溶けていた。


サラ・ブライトマン



  蛇足:「個人教授」
     哲学の授業でナタリー・ドロン扮する女教師が問う「幸福とはなにか?」
     物悲しい雰囲気が赤木圭一郎に似ていたルノー・ベルレーが教師から個人的に「愛」を教わり
     「別れ」を体験し一人前の男になっていく物語。




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