天国と地獄

sukebo

2020年02月26日 16:13

黒澤映画「天国と地獄」の

原作:エド・マクベインの87分署シリーズ
「キングの身代金」






原作でも、
誘拐された子供は自分の子ではないが、、犯人はキングに50万ドルを払えと電話をしてくる。

原作では、社会復帰の職業訓練で学んだ「ラジオつくり」の技術で、警察無線を傍受し
身代金の受け渡しを「キング」本人の車に独りで運転しろと指図する。
そして自作の無線機からの犯人と、キングの自動車電話での会話が始まる
身代金を受けに来た一人は逮捕されるが50万ドルを山分けする、もう一人の男と女は
逮捕されずにお話は終る。

日本では「当時の誘拐罪に対する刑の軽さ」
(未成年者略取誘拐罪で3ヶ月以上5年以下の懲役〈刑法第224条〉、営利略取誘拐罪で1年以上10年以下の懲役〈刑法第225条〉)

特急第2こだまのトイレの窓が7センチ開くと犯人から列車電話が入る。
子供を見せるから、見たら身代金を落とせ。

この映画の公開後

吉展ちゃん誘拐殺人事件など都内を中心に誘拐事件が多発した。国会でも問題として取り上げられ、1964年の刑法一部改正(「身代金目的の略取(無期または3年以上の懲役)」を追加)のきっかけになった

(原作でのキングに当たる)三船敏郎の、苦悩して身代金を支払いながらも、結局莫大な借金を背負い破滅していく凄まじさに、
子供を無事に保護してから、犯人をより重い刑に服させるために犯人を泳がせ、結果とし仲代達矢が犯人(山崎努)逮捕時に

「これでお前は死刑だ」


身代金を入れるカバンを靴の職人三船が加工する。白黒の映画で、その鞄が燃えると、
ゴミ焼き場の煙突から(そのシーンだけ)オレンジの色の煙が出てくる・・・
純度の低い麻薬愛用の患者に純度の高い麻薬を与えると・・・
インターン中の若い医師山崎努の完全犯罪が成立するのか?

原作よりも黒澤映画が断然面白い。



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